鈍感力

書店に行って,ランキング上位から本をセレクトするのは,なんかマインドコントロールされているみたいで,あんまり嬉しくないんですけど,効率良く楽しい本に巡り会えるのは事実なので,「とりあえず上位からまとめ買い」みたいな感じでお世話になることが多いです.

で,今回取り上げる鈍感力も,そんな本の一つ.だいぶ前からメディアでは盛んに取り上げられているので,むしろ時代遅れぐらいでしょう.

まず,読んで感じたことは,僕には間違いなく鈍感力が足りないってこと.

細かいことを気にするし,精神的には比較的ナイーブ,怒られるのに慣れていなくて,自分と違う意見を言われると凹みやすい.

これらの僕の性格は,鈍感力不足を絵に描いたような特徴ばかりです.

僕自身の気持ちでは,鈍感力が出版されるずっと以前から,細かいことを気にしたり,やたらとナイーブな性格であることは,あまり得しないということを意識していたので,出来るだけおおらかな性格でありたいと願ってきたのですが,願っているだけでは,そうそう変わるものではないですね.

この本を読んで,客観的な視点から自分の性格の見え方を語られたような気がして,かなりドキドキしました.

しかし,繊細であったり,敏感であったり,様々なことに気付いてしまうということが,全面的に悪いということではないと思います.

たまたまこの本のテーマが鈍感力になっているから,論調に統一感を持たせるために,「鈍感力バンザイ」側にかなり極端なまとめ方をしているけれど,別にこの本は物事に敏感であることを否定してはいません.

まあ,一般常識を覆すという意図がこの本の主張にはあったのだと思います.こういう意図がうまく効果を発揮したからこそ,常識的な人々に驚きを与え,よく売れているんだと思いますし.

要は,敏感力も,鈍感力も,必要に応じて使い分ければいいのです.人の気持ちを察してコミュニケーションすることは人に優しくあるために必要不可欠なことだし,必要以上に精神を悩ませるような耳に痛い言葉は,適当に聞き流せるだけの心の余裕があった方がビジネスがうまくいったり,健康にいいのは当然のことです.

しかし,今回分かったことは,僕は敏感力と比較して鈍感力をうまく使いこなせていないということ.

生まれ持った性格はそうそう直せるようなものではないですが,今回知ったことは,これからの人生を生きていくためのtipsのひとつにはなったかなと思います.

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マイミク35人達成!

ついにマイミクが35人になりました.

マイミクが多くなればなるほど,コンテンツは最小公倍数になりがちで,書けないことが増えてくるので,なるべく積極的には増やさないように心がけていたのですが,最近の急激なmixi会員増加の現われか,歯止めがかからなくなり,マイミク1ページがちょうど埋まるまでになりました.

最初はトップページに表示できる9人を限度にしようと思っていたのですが,そんな目標はどこへやら...

でも,僕の当初からの指針である,リアルワールドのつながりがある人限定という点は,まだ守られています.

それに,35人のマイミクの皆さんは,どの方もリアルワールドで大変お世話になってきた,僕にとってかけがえのない方々ばかりです.

これからもどうぞよろしくお願いします.

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もう一人の自分

今週,今年度で30歳になる社員向けに,キャリアビルディングワークショップなる研修が行われました.

要は,仕事上の自分の履歴を振り返り,今一度将来の目標を見つめ直しましょう,という趣旨の内容なんですけど,面白かったのは,この研修のグループワーク中の一コマ.

グループの中の仲間から色々とインタビュー形式で,質問に答えながら自己分析をするという課題があったのですが,その際にペアを組んだ相手にメモしてもらったことの中に,こんな文章がありました.

「初対面の人でも相手に悪い印象を与えず,穏やかで,人の良さを感じる,営業とかにも向いていると思う」

最初読んだときは,ハァ?と思ったのですが,まあ,あながち間違ってもいないかなと思いました.

自分の感情や欲求をコントロールすることは比較的得意なので,「こういう状況では,このように振る舞ったり,意見を述べるべき」という,マナーみたいなものがハッキリと決まっている状況だと,何の迷いもなく行動できるというのは,自分の特徴として事実だと思うからです.

だから,仕事上の人とのコミュニケーションは楽に感じるし,そうそう間違いようもないと思います.

でも,逆に言うと,プライベートなコミュニケーションというものは,苦手かもしれません.ものの考え方,言動の方法にルールがなくて,とても自由だからです.拠り所がないというか...

こういう場合,普通は「自分自身の素直な思い」というものが拠り所になるんだと思うのですが,僕の場合,自分自身をコントロールすることに慣れてしまったが故に,本来の自分なら何をどう考えるのかが,よく分からなくなっているのです.

一般的にはこうだ,倫理的にはこうだ,道徳的にはこうだ,マナーとしてはこうだ,社会的にはこうだ,立場的にはこうだ,論理的にはこうだ,通説的にはこうだ...

「○○的にはこうだ,だからこうする」と客観的に判断する癖がついてしまい,主観的に自分の価値観でものを考えることができなくなっているのかもしれません.

仕事上のコミュニケーションであれば,これでいいのかもしれませんが,さすがに,プライベートなコミュニケーションにこれを持ち込んだら,つまらないコミュニケーションになるだろうなぁと思います.

六法全書と対話しているみたいで,「その人」という個性が全然見えてこないからです.逆に,その人が本心では何を考えているか分からなくて,ある意味,恐ろしささえ感じてしまうかもしれません.

別に優等生ぶっているわけではないのですが,人間とは完璧なものではないし,恥をさらしたくない,傷つけたくないし,傷つきたくない,と思うが故に,一生懸命に取り繕おうとしてしまうのでしょう.

自意識過剰か,人見知りか...

別に,何のトラウマがあるって訳でもないのですけどね.これは持って生まれた自分の性格のようです.

少なくとも,親しい友人と話すときぐらい,こんなたいそうなこと,忘れた方がいいような気がします.でも,忘れたところで,替わりの自分が思い当たるわけでもないのですが.

感情と欲求をむき出しにして思うがままに振る舞う自分が,深層心理に隠れているのだとしたら,一度会ってみたいものです.

意外といい奴だったら嬉しいんですけど...

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仕事して下さい

今話題の,年金記録問題.

僕は,基礎年金番号制度ができてから国民年金を納め始めたので,まず大丈夫だと思いつつも,興味があるので,記録を照会してみようと思い,「年金個人情報提供サービス」のID発行を依頼しました.

そして,約3週間が経過.

まだ何の音沙汰もありません.最近ホームページを見たら,

「ただいまお申込みが集中しております。ユーザID・パスワードは順次発行しておりますが、現在発行までに4週間程度の期間を要すると見込まれます。」

なる文言が.

僕が申し込んだときは2週間って書いてあったのに...

基礎年金番号を書いて申し込んでいるんだから,記録を検索するのは簡単だろうし,IDを発行するのにそんな時間がかかるとは思えないんですけど.

1人1人のIDを担当者が一生懸命考えているとかぁ?

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理想を追求する思い

僕は普段,移動中はiPod使ってますが(あ,Network Walkmanもモチロン持ってますよ),家では,やっぱり据え置き型のオーディオを使っています.

それも,真空管アンプだったりします.

何でそんな古風なモノが好きなのかと問われれば,まあ,端的に言っちゃえば,単に変わったものを所有するのが好きなマニアなんですっていうことなんですが,実利的な真空管アンプの良さとは,アコースティックな音色がつややかに再現できるってことだと思います.

なので,僕のようにクラシックのCDばっかり聞く人間にとっては,うってつけなのです.特に,古いヴァイオリンが奏でるような音色の再現には,真空管アンプの出力する音質がとても合っているように感じます.

そんなこんなで,一緒に使っているCDプレイヤーもアナログ回路に真空管の増幅回路を使っているようなシロモノです.

いろんなメーカーの真空管を差し替えて,音の聞き比べをしたりするのも楽しいし,古い,レアな,いい音のする真空管を集めるのも楽しいのです.あ,この辺は楽器選びにも通じるところがありますね.

それに,やさしくオレンジ色に光る真空管が視覚的に機能していることを訴えかけてくれるところも,機械好きアナログ人間としてはたまりません.

しかし,夏は電源を入れっぱなしにすると部屋の気温がどんどん上昇してきます.

まあ,真空管は加熱してなんぼのデバイスなので,仕方ないんですけど,消費電力が大きくて効率は悪いわ,ちゃんとした音を鳴らすまで余熱が20分ぐらいはかかるわで,最近のエコロジーブームには完全に逆行しています.

環境負荷が高いという点では,石油の高いこの時代に,僕がいまだに燃費の悪いターボ車に乗っているのも同じです.

でも,不思議なもので,個人的には,効率を向上させ,無駄なものを省き,どんどん機能を洗練させていけばいくほど,個性が失われ,面白みがなくなってしまうような気がします.

まあ,無駄が多くて発展途上ものだからこそ,一般には普及せず,必然的に個性的になるとも言えるのですが,洗練されすぎていない発展途上のものには,それを作り上げた人間の描いた理想を追求する思いと,それを実現するための思考過程が目に見える形で残されているような気がして,僕にしてみれば,その素朴さに対して,愛着がわいてしまいます.

例え無駄なこと,手間がかかるようなこと,多少お金がかかるようなことがあったとしても,何かの光る特徴(理想を追求する思いの片鱗)が一つでもあれば,マニアとしては所有する喜びを十分に満たしてくれます.

無駄なエネルギー消費を抑え,効率よく機能を満たすことは必要な方向だと思いますが,効率を考えるが故に,必要以上の機能の追求を止め,ある水準で妥協してしまうことがあるとすれば,それはとても残念なことだと思います.

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