新しい出発

9月から早稲田大学の大学院博士課程に進学することになりました。

ということで、10年に及んだソニー勤務は今日でおしまいです。

本当は色々と実感することがあるのでしょうが、会社では最後の最後まで何だかんだと仕事をしていて、感慨にふけるような余裕もないまま今日になってしまいました。

せっかくなら、もっと人生の節目をじっくりと味わいたかったなと思います。

しかし、次にやるべきことも既に山のようにあって、休んでいる暇というのはありません。

まだ学生証はもらっていませんが、週明けからは研究室に行こうと思います。

今までの社会人の生活パターンで大学生活に入れば、結構効率よく研究できるのではないかと期待したりしています。

「おお、フリーダム、万歳!」と叫びたいような気分です。

大学での生活は、会社のようには生活の保証が完備されているわけではないけれど、自分の裁量で方向を切り開いていけるこれからの生活に期待が膨らんでしまいます。

カテゴリー: 生活, 自分 | 12件のコメント

トレンドの変化に惑わされる自分

「何じゃこりゃ」と言いたくなるぐらい,トレンドの変化が早く感じます.

諸行無常とか,盛者必衰とか言っていた時代とは比較にならないスピードで,トレンドがビュンビュン入れ替わっている感じがします.

変化があることは悪いことだとは思わないけれど,このスピードに合わせて生きていくことが幸福感につながるのかは疑問です.

ただでさえ世の中の変化が激しいのに,SNSがそれに輪をかけて,情報を効率よく,あっという間に伝達してくれるものだから,なおさらその圧倒的なスピードと情報量に自分の思考が惑わされてしまう感じがして,最近は,なんか情報の満腹感にさいなまれています.

自分はいろんな面でそれなりにアーリーアダプターだと思っていたけれど,最近は処理能力のキャパシティーを超えかけているんじゃないかと感じます.

あまりにもトレンドが変化しすぎると,何を信じていいのかわからなくなってきます.

特に,技術は変化するのが宿命みたいなもので,一つの技術に固執したり,その技術が最高だと信じたり,身を委ねるのはとても危険だなぁと思います.

せっかく自分の貴重な人生を費やすなら,もっと時間を超越した価値を持つ物事にリソースを費やしたいものだと感じます.

カテゴリー: 自分 | 2件のコメント

短くて,浅くて,薄くて,狭くて,軽い

日本の製造業は,新興国にボロボロにされ,どうしたもんかと,一流の,賢い経営陣達が日々アタマを悩ませているこの時代です.高度成長期に日本が欧米の製造業をこてんぱんに打ち負かしたのと同じ歴史の繰り返しにも見えてきます.

ということは,欧米と日本のこれまでの歴史を振り返れば,今後の日本の産業の行く末は,金融とITに向かうべきであることは想像がつくけれど,日本人の文化,歴史,メンタリティーからは,どうもシックリきません.本当に,金融業で日本人が欧米のハゲタカに対峙することができるのでしょうか.マネーを自在に操り,世界を裏から動かすような闇のヒーローが生まれるのでしょうか.IT産業において,次世代の生活を変革するようなサービスを構築し,かつての日本車や家電のように世界中で使われるようなシステムを売り込んでいけるぐらいの,システム構築力と,大局観を持っているのでしょうか...

まあ,最初から悲観的に考えるのも,どうかしていますね.やってみなけりゃわかりません.ただ,もしかしたら,医療,介護,サービス産業など,第3の道を進むべきなのかもしれなくて,これこそまさに,世の中の流れを自分の目で見極め,自分のアタマで考え,日本の行く末,時代の波を想像しなくてはいけないことです.

このまま,日本のものづくりを支える道を考えるのも一つの選択肢です.でも,これまでの歴史を見ると,ものづくりから脱却しなければいけないような気もします.日本が参考にすべきは,米,英,欧のどれなんでしょうか.自動車産業が滅かかった,米,英か,まだまだ頑張っているフランス,ドイツか...

しかし,なんだかんだ言って,日本人の気質は,ものづくりに向いているような気がします.論理でもうけるより五感で感じ取ることのできることに関連したビジネスの方が上手いように感じるからです.また,内容はともあれ,新しい文化を生み出すことが上手だと思います.特に,エンターテインメントの面では,大いに独創性にあふれていると思います.

ただ,何となく,全において,短くて,浅くて,薄くて,狭くて,軽い気がします.

思考の対象とする時間の長さも,
目標設定の深さも,
考えの掘り下げ方も,
言葉の重みも,
結論を導くまでの思考過程も,
情報の集め方も,
本(教科書)も,
新聞も,
生活空間も,
メディアから垂れ流される情報の質も,
経営コンサルタントの解説も,
経済見通しも,
計画を実行する時間スパンも,
日本の建築物も,
危機対応も,
震災対応も,
防災対策も,
政治家のものの考え方も,
日本人の言動も,
日本人の視野も,
成果主義を重視するマネジメントも,
少子化対策も,

そもそも,日本人が小柄で,海に守られた島国で,木と紙の文化だからいけないのでしょうか...

でも,飛鳥時代の建造物がまだ残っていることを考えると,長期的視点で物事を達成するということを,やればできるんだろうと思います.あ,でも法隆寺はそもそも大陸の文化なんだっけ...

中国には遠く及ばないにせよ,世界にも誇るべき長い歴史と文化を持つ国なのに,これだけ戦前の過去を顧みず,前ばかり見ている国も珍しいと思います.それも,直近の未来しか見つめず,毎日を刹那的に,楽しくおかしく生き,平和を謳歌しているにもかかわらず,悩み苦しんで生きている国民も珍しいのではないかと思います.

戦後にリセットされ,根っこのない,浮き草のような時代を,あまり深くも考えずに駆け抜けてきたから,こんなになっちゃったのでしょう.楽しくもあるけど,もうそろそろレジャーランドの閉園時間が迫ってきているから苦しいのだと思います.

宗教にも,文化にも,根ざすところを知らないから,日々不安で,環境の変化に翻弄されるように信念を変え,適応を繰り返していかなければいけないのが,今の日本人の姿だと思います.

ベクトルはあっても,基点がないから将来が描けないのです.

環境構造の変化に翻弄され,勾配に沿って最急降下を繰り返し,コロコロと転がり回るのが,今の日本人の姿です.GPSを持たずに,嵐の海をこぎ回っているのが,かわいそうな日本の姿です.

あまりにも,文化に重みがない.

オリジナリティーはあっても,あくまで消費される文化であって,歴史には残らないのです.企業だけでなく,国そのものが自転車操業になりつつあるようなきがして,哀しく感じます.

カテゴリー: 文化 | コメントする

自分のアタマで考えること

私は,自分のアタマで考えることが苦手です.

自分の知識で考える前に,安易に検索して答えを探してどうにかその場を切り抜けてしまう,常に自転車操業で駆け抜ける,そんな悪い癖が,身についてしまったように思います.

・我慢ができない.
・腰を落ち着けて考えられない.
・長期的な目標を描けていない.
・嫌なことから逃げて解決しようとする.

こういう言葉で代表されるような行動ばかりしているような気がします.

こういう行動を取っていると,一瞬は優位な状態になるかもしれないけれど,長期的には明らかに劣勢になるということは,今までの人生経験で何度も味わってきました.

だから,多少苦しくても,劣勢に立たされても,我慢して同じ問題を見つめることが必要だとアタマでは知っています.

石の上にも三年とはこういうことだと思います.

ところが,石の上にも三年とはいうものの,不器用にも我慢して同じ問題を見つめてばかりいると,全く別のアプローチから解決策を見いだされ,足をすくわれて,それまでの努力がまったく無駄になってしまう,ということもあり得るのです.

だから難しい.

変わり身が早いと,物事が深く考えられなくて浅い答えしか得られないけれど,あまり頑固に一つのことにこだわりすぎると,時代遅れになっちゃう.

本当に難しい.

スピーディーに,首尾良く,センス良く,長期的に有利な目標を立てて,選択しなければいけない.

それも,誰かの知識を吸収するだけではダメで,自分のアタマで考えたオリジナルなコトでないと,2番煎じになって,後追いになって,結局優位にはなれないのです.

もちろん,2番煎じでも勝てる人はいて,それは自分のアタマと感覚で感じ取ったエッセンスをうまく入れ込むことができたからです.

でも大概,2番煎じは勝つことができない.

自分の感覚に素直じゃないからなのか,技術がないからなのか,センスがないからのか,理由は色々あると思いますが...

こんなに難しい世の中にしたのは一体誰なんだろう.

カテゴリー: 文化, 自分 | コメントする

いろいろあって5月

今年のゴールデンウィークは節約生活をしようと思います.旅行は今まで結構行ってきたし,留学に行ってからは,海外旅行ってこんなもの的な感覚に陥り,新米の社会人の頃に行った海外旅行のような感動が得られにくくなってきたからというのもその理由の一つです.もちろん,まだ自分の知らないところはたくさんあるんだろうとは思いますが...

しかし,いくら節約とは言っても,どこにも出歩かないのは不健康だと思うので,初日には上野動物園に行ってきました.私はこれまで,もっぱら日野にある多摩動物公園に行く人間だったので,上野動物園に行った記憶はありませんでした.でも,何となく生物の原点を眺めてみたくなり,動物園に行く気分になり,今,生活の拠点としているところから徒歩で行くことのできる,上野動物園に立ち寄ってみることにしました.

私のお気に入りは,小動物のほ乳類です.タマリンとかウサギとかモモンガとかミーアキャットとか,そういう動物です.ほ乳類だとそれなりに高等動物なので,は虫類とかと比較すると,行動が面白いと感じられるからです.また,よくあんなに小さな体に枝を飛び回るような機構が埋め込まれているものだと感心してしまうからです.

上野動物園は意外と広く,見所満載でした.閉園間際に立ち寄ったらパンダ舎も10分待ちぐらいでゆっくり見学できました.来園者側を向いてどっかりと座り,両手に笹を持ってムシャムシャとひたすら食べ続ける姿はなかなか愉快でした.

入園料は大人600円で,全然高くないし,個人的にはおすすめスポットです.

カテゴリー: 生活 | コメントする