TED.com

本当に価値があると思うものは、あまり人に教えたくないものですが、TED.comは本当にすばらしいサイトなので、是非紹介しようと思います。

このサイトでは、世界の著名人の経験に基づく発見、知見、意見、見解といったものが、20分程度の短いプレゼンテーションにまとめられたムービーが公開されています。

何故価値があるのかといえば、理由は4つあります。何よりもまず第1に、ここで紹介されている人達の話は面白いからです。自らの人生の何十パーセントかの時間をある目的のために費やし、世界に認められる実績を上げた人達なので、言葉の重みが違います。したがって、話が面白いのは当然なのですが、価値ある経験に裏付けられた様々な見解を聞けるということは、自らの人生にとっても非常に参考になると思います。そして第2に、いずれのトークも非常に短時間にまとめられているため、単位時間あたりの情報量が非常に大きいからです。第3に、ここで紹介される人々のプレゼンテーション能力、そして英語のフレーズには、聴衆を惹きつける技術が凝縮されており、非常にハイレベルの表現力を経験することができるからです。第4に、このサイトのムービーは全て英語のサブタイトルがつけられるので、TOEICやTOEFLのリスニング力を強化したいと思うのならば、学習用コンテンツとして最適だからです。

人間の言葉にこれほどの価値を感じるものなのだということは、本当に価値のあるトークに出会わなければ実感することがないと思います。そして、この経験によって初めて、本当に価値あるトークの魅力とは何であるか、魅力的なプレゼンテーションとは何であるかの基準を高めることができると思います。

ここのサイトで紹介されているムービーは、英語学習用コンテンツとしての位置づけ以上の魅力を持っています。ムービーの中のトークを直に理解するために、英語をさらに勉強するというモチベーションにつながれば最高ではないでしょうか。多少分からない単語があっても、気にせず聞きましょう。主たるメッセージが理解できれば、それだけでかなりの満足感が得られると思います。

しばらくすれば、振り返って、日本人はもっとプレゼンテーション能力を磨くべきであるということを実感すると思います。日本でもプレゼンテーション能力のノウハウを解説した本は沢山売っていますが、それらの著者がこれだけのプレゼンテーションができる人だとは到底思えません。クオリティーの低い題材をいかに魅力的に見せるかというテクニックを理屈で考えるのではなく、まずは、必然的に生まれてきたハイクオリティーのプレゼンテーションを体験することです。

一旦日本の壁を越えると、世界には想像以上の知恵があふれていることを実感します。日本人が言葉の壁に遮られ、限られた自国文化だけの枠にとらわれ、アイディアが枯渇し、行き詰まり、発展を阻害されているのを目にするのはとても心苦しいことです。日本人が得意とする、何かを突き詰めるという段階で発展が望める時は、自国の文化だけに目を向けていればいいと思いますが、これまでの失われた20年のように、新たなフロンティアを探し続け、彷徨っている時には、異国文化の知恵が発想の種になるのではないかと思います。

日本語の壁というのは本当に非常に強固なもので、日本の発展を本当に阻害しているといつも実感します。何とかして打ち破れないものだろうかと、最近いつも考えています。

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日本人大がっかり

オランダ戦、昼間に地元のフランス語放送+ニコニコで見ていました。地元のフランス語放送はストリーミングで遅れがあるのはわかっていたのですが、何故か日本のニコニコの実況解説より遅れていて、何が起きるが5秒前ぐらいにわかってしまうという変な感じでした。

オランダ相手に1点で抑えられたのは上出来だという評価が多いですが、運が良ければ同点になっていそうでしたね。ワールドカップ前の練習試合では、連敗していて期待できないと思っていたのですが、ふたを開けてみれば、善戦していて嬉しいです。しかし、後半始まってからのオランダの猛攻はすごかった。

日本の戦い方は組織的な感じで、決して悪くはないと思いますが、チャンスをものにする正確さがあれば、もっといいのにと思います。

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スイス人大喜び

ワールドカップで、スイスがスペインに勝ちました。やはり、先に得点を取ってしまえば、後はご自慢の鉄壁の守りという感じで、スイスの文化がそのまま反映されたような戦いぶりでした。しかし、大方の予想はスペインの勝利だったので、予想外の展開に普段は静かなスイス人も結構興奮していました。日本がカメルーンに勝ったぐらいの印象だと思います。

日本人は60~70%の人がカメルーンに負けると思っていたそうですね。まあ、期待が低い方が、勝ったときの喜びが大きいのではないかと思いますが。

というわけで、今日の街中はスイスの国旗をまとった人がいるわ、ブブゼラを鳴らす人がいるわで、かなり賑やかになっていました。

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携帯対応しました

デザインはいまいちですが、携帯からURLにアクセスした場合には、簡易レイアウトでブログが表示できるようにしました。見にくかったら改善しますので、コメントにでも残してください。

URLは

http://www.cobaltgreen.net

です。カワセミの色にちなんで、こばるとぐりーんです。

mixiから始まり、hatenaを経由して、結局、独自ドメインのレンタルサーバ+WordPressでブログを更新するという最終形態(たぶん)にたどり着きました。お仕着せのものを使うより、色々と自分で設定するのが好きな人間なので、いずれはこうなるのではないかと思っていましたが。

あいかわらず不定期の更新ですが、気長におつきあいください。

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はやぶさ帰還

はやぶさのミッション完遂。無事カプセルも回収されそうですね。すごく壮大なストーリーでした。

日本の宇宙開発は、かつてのH-IIロケットの失敗で一時はどうなることかと思いましたが、やはり長い時間をかけて積み重ねた技術というのは、粘り強さが違うようです。H-IIロケットのような衛星打ち上げビジネスとしての側面だけではなく、純粋な宇宙科学としても世界に誇るべき結果を残すことができたことで、多くの日本人は勇気づけられたのではないかと思います。戦後の恵まれない環境の下で、宇宙開発の歴史を切り開いてくれた糸川英夫博士に改めて感謝の気持ちを表したいと思います。

企業の経営も、国の科学技術政策も、とにかく一朝一夕に結果を求めようとする風潮が強すぎるように思います。もちろん、無駄な支出はないように研究するべきと思いますが、何が無駄であるとは簡単には判断がつけられないのも基礎研究の特徴だと思います。一方で、予算をジャブジャブつければ良い結果が残せるかというと、そういうわけでもないと思います。少し前のロボット研究プロジェクトに投下された国家予算のように。

要は、研究者の信念の問題です。研究者の心の火が消えない限りは、予算とは関係なく、価値ある研究ができると思います。一番良くないのは、研究者の心の火がまだ灯っているのに、予算削減だと言って容赦なく組織を解体してしまうことです。これはいけません。研究者が信じるものを持っている限り、予算は削減してもいいので、最低限の研究環境は残すべきなのではないかと思います。研究者が過酷な状況下でも研究を続けようと信じる根拠には、それなりの理由があるはずなのです。

経営も重要でしょう。株主や納税者の声も聞く必要があるでしょう。しかし、目前の決算の帳尻合わせをするだけの視点で組織を運営していては、過去の貯金を食いつぶすだけで、いつかは前に進めなくなる時が来てしまいます。そうならないように、正しい選別眼で、将来の種を育てて欲しいと思います。

とにかく、科学技術は一番でなければ意味がないのです。核兵器の抑止力と同じようなものです。国益、国防としての視点で、科学技術の先進性を議論する風潮があってもいいのではないかと思います。

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