打倒ミネラル

ローザンヌの水は硬水で、飲むときには私はBRITAを使っていることは以前書いたように思いますが、硬水ならではの別の悩みもあります。

それは、水回りを拭かずに放っておくと、あっという間に真っ白になってしまうということです。台所のシンク周りは以前から使い終わったら、すぐに布巾で拭き上げるようにしていたので、何とか以前の状態を保っていますが、蛇口にはどうしてもミネラル分が沈着してしまいます。洗面所の蛇口も、シャワーヘッドも同様です。

ところで、私は9月には帰国することになっているので、部屋を明け渡すときに一気に掃除しなくても良いように、今から部屋をなるだけ綺麗に使おうと努力しているのですが、その一環で今回、蛇口を綺麗にしてみることにしました。

以前は、小さなマイナスドライバーとかでガリガリとこそげ落としていたのですが、研究室の友人に聞いたところ、もっといい方法があるというので、それを試してみることにしました。その内容はというと、ミネラルが沈着していることを想定してかどうか知りませんが、こっちの蛇口のほとんどは水の出口のところがねじ式になっており、取り外せるようにできています。なので、蛇口という蛇口の口金を全て取り外し、ミネラルを溶かす液体につけて一晩おくのだそうです。

友人は酢を使えばいいよと言っていましたが、きっと掃除用品として固着したミネラル分を溶かす洗剤があるに違いないと思って、買い出しに行ってきました。

すると、こんな名前の洗剤が売っていました。

SuperClean
ANTICALC FORTE

なんとなくわかりますよね。毎回思うのは、不必要で明らかなことだけいつも英語だということ、どうせなら全部英語にしてくれればいいのにと思いますが、まあそれはさておき。。。

ANTICALCは「計算嫌い」ではなくて、「カルシウムを除去する」ってことでしょうね。そして、FORTEなら「強力」って感じでしょう。

さらにこの下には、

gegen Kalk und Schmutz
détartre et nettoie
elimina calcare e sporco

と書いてあります。なんとなく雰囲気で分かるでしょうか、上からドイツ語、フランス語、イタリア語で「カルシウムを除去して綺麗にする」と書いてあります。

というわけで、これが求めていたもののようです。混ぜるな危険系の強力洗剤かと思いましたが、それほど強力な酸というわけでもないようでした。でも一応、この洗剤の液体につけると、ミネラル分から泡がシュワシュワと出てきて、溶けていくのが分かります。さらに、この洗剤で蛇口を洗うと、白いくもりがなくなり、ピカピカになってしまいました。

これなら、退去日直前には簡単に掃除することができそうです。少し安心しました。

ちなみに、スイスで賃貸住宅から退去するときには、なかなか厳しい掃除チェックがあるようです。不動産屋からも非常に多岐にわたる掃除チェックリストが届いており、蛇口のミネラルもちゃんと除去するようにと指定されています。この細かさがいかにもスイスらしく、入居するときには安心感があるのですが、退去するときの負担が結構大きいなと思いました。日本なら不動産屋がクリーニングしてくれるのに、こちらでは、入居者が責任を持って掃除しなければいけないからです。

まあ、普段から綺麗に使うことに越したことはありません。

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期待していいですか?

なんか、どちらも筋の悪いものができあがりそうな雰囲気がしてなりません。

「Windows 7」スレートは年内に登場予定とMSのバルマーCEO

NTTドコモ、iモードメールも利用できるスマートフォン向け「spモード」を開発

まずはMSの提案に関して。少し前に書きましたが、Windows7ベースで開発するということは、いわゆるWindowsインターフェースの呪縛に引きずられることを意味するわけで、OSをタッチパネルインターフェース向けに最適化しているiPadやiPhoneとは勝負にならないと思います。スレートという新しいネーミングを提案していますが、どう考えても、いわゆるタブレットPCの看板の掛け替えになっておしまいではないかという気がしてなりません。やっとWindows7がまともにリリースできたばかりだというのに、こんな短時間でスレートに載せ替えて売り出そうなんて虫が良すぎます。付け焼き刃的な対策で、iPadに対抗できるわけがありません。指はマウスポインタじゃないのです。

容易に想像されるのは、短いバッテリ駆動時間、反応の悪いUI、過剰に機能を盛り込んだアプリケーション、というイメージです。最近東芝が発表したlibretto W100(YouTube)を1画面にした様子をイメージすれば、分かりやすいと思います。(しかし、こんなひどいマシンを発表して、日本企業はどうかしちゃったんじゃないかと不安になります。。。)

一方、ドコモですが、新しく開発した「spモード」とやら、公表されている情報を見ただけでも、imode.netの悪夢の再来かという気がしてしまいます。使用機種限定、専用ソフト経由のメールの送受信。。。ありえません。同じ会社が最近将来のSIMロック完全解除宣言をしたとはとても考えられない提案です。結局、会社のフィロソフィーは何も変化していないということなのでしょう。

SIMロック解除=任意のスマートフォンが使えることを想定しているはずです。契約キャリアがドコモなら、imodeメールを送受信することに関して、別に機種限定にする必要はないのではないかと思うのですが。。。専用ソフトを経由することで、通信プロトコルに色々と小細工をしたい気持ちは分かりますが、メーラソフトはUIが命だというのに、imode.netのWebメールのUIを知る身としては、ドコモ製のソフトに限定されるのは気が重くなります。

2社とも、本当に過去の反省に立って、新しいサービスの提案をしているのでしょうか。問題の本質を理解しているならば、こんな筋の悪い提案はしないはずだと思うのですが。

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テレビの視聴スタイル

当たり前のことですが、今回参院選の開票速報をニコ動でフォローしたり、W杯をスイスのネットストリーミングで見るにつけ、テレビはいわゆるアンテナをつないで、電波を受信して見る必要はないな、と思うようになってきました。

ニコ動の生放送が面白いのは、10万人以上の視聴者が同時にある番組を見ていると、コメントがリアルタイムでインタラクティブになることです。自分の投稿したコメントが起点となって、その数秒後のコメントの話題が変化したり、出演者がコメントに反応して番組展開を臨機応変に変えてくれるのが非常に面白いのです。これ、何気ないことですが、今までにない番組視聴スタイルです。革命的変化なのではないかと思います。

そして、このリアルタイムな双方向性が可能なのは、インターネットを通じて映像を視聴しているからに他なりません。デジタル放送+電話回線で実現している番組中のアンケート、これもひとつの双方向性への取り組みだとは思いますが、ニコ動のコメント投稿と比較して、番組、視聴者間のレスポンスの早さと、やりとりされる情報量に圧倒的な差があります。

一方、スイスで提供されているネット放送の取り組み、これは日本も学ぶべきものだと思います。日本ではなぜか、テレビ視聴=放送用電波受信という頭(もしくは業界の様々な規制)があって、このしがらみから抜け切れていないような気がします。ノートパソコンでテレビを視聴するためには、テレビチューナーをデバイスとしてインストールし、アンテナを接続するというパターンが多いですよね。たかがテレビを見るだけのためにハードウェアを追加する必要があるのでしょうか?ネットでサイマル放送すればいいだけのことではないでしょうか。

もちろん、ワンセグには屋外でも視聴できるという利点があります。しかし、屋内ではどうでしょうか、むしろ受信感度が悪くなって、窓際に移動したりする必要があります。地上デジタルのHD放送を受信しようものなら、B-CASカードを挿せる機器をUSBなどで接続して、アンテナも用意しなければいけないのです。こんな投資をするぐらいなら、PCに標準で搭載されているWLANを使って、ウェブブラウザでストリーミング放送を受信すれば、受信機器への初期投資もなく、解像度も十分高いディスプレイがそのまま使えて、圧倒的に効率がよいのです。

東京スカイツリーが大々的に話題にのぼっているところに水を差すようで恐縮ですが、これだけインターネットが普及している今日、別に電波でテレビ放送を受信する必要ないんじゃないかと思います。地上デジタルへの移行に莫大な資金を投じている建前、電波に代わる受像方法を提案しにくいのも分かりますが、PCでの視聴を考えると、明らかに電波での受信は非効率なのです。

だから、インターネット経由のサイマル放送の規格を業界で早急に策定して、PCだけでなく、テレビに関しても、テレビアンテナの代わりにLANケーブルで全てのチャンネルが受信できるようにして、視聴者に選択肢を提供するべきだと思います。ネットでの視聴はインターネットの帯域を圧迫するという問題があるかもしれませんが、本質的な、技術的に難しい課題はありません。日本で、ラジオに関しては既に地域限定でサイマル放送が始まっていると思います。同じことをテレビでやればいいだけの話です。

そして、放送局側は、是非リアルタイムな双方向性を生かした番組作りに、肩肘張らずに取り組んで欲しいものだと思います。何かと新しい取り組みを始めようとすると、形式張って最初から完璧を目指そうとするフシがありますが、それでは野心的な取り組みはできないと思います。伝統的な一方向性の番組は維持したまま、裏番組的扱いで実験的な取り組みをすればいいのです。そういう新しい風を、行き着くところまで行き着いてしまった日本は、今まさに求めているのではないではないかと思います。

某S社は、エアボードやロケーションフリーという商品群で、この既成概念に穴を開けようと取り組んできたと思います。でも、なかなか普及しないですね。それは、こういう機器を購入することと、PC用にチューナーカードを買うのとあまり金銭的な差がなく、むしろ機器の運用に技術的な負担が大きいからだと思います。一部のマニアが自分の家でサイマル放送用のサーバを立てることを期待するではなくて、誰でも使える公共サービスとしてサイマル放送を提供してしまえば、ブラウザ経由のテレビ視聴スタイルが、すぐにでも普及するのではないかと思います。

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タコさんはすごかった

日本では参院選のニュースで埋もれそうですが、スペインが優勝しました。今夜のローザンヌはうるさくて眠れなさそうです(昨夜もフェスティバルでうるさかったけど)。日本みたいにPKになるのかと思いきや、延長戦のギリギリでスペインがゴールを決めました。

またしても、ネットストリーミングより外の歓声の方が早く聞こえて、何があったのかと思ったらスペインのゴール、という感じでした。

オランダは何となくラフプレーが多かったし、まあ、順当な結果なのかなという気がします。オランダはやたらとパワーで押しまくるゲームをしていたような感じで、スペインの方が賢くゴールを取ったように思いました。

審判もお疲れ様って感じです。イエローカード出まくりの荒れた試合でした。これぐらい荒れると、スキンヘッドの厳つい審判じゃないと切り盛りできませんね。

さて、予言タコ、見事に的中ですね。予想のあっけなさと比較して、ゲームの方はかなりの混戦でしたが、動物はお見通しだったということでしょうか。

また、クラクションを鳴らした車が走り回っています。早く眠れますように。

初優勝おめでとう。

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Montreux Jazz Festival

Festivalだらけですが、今日はMontreuxまで行ってきました。昼間は暑くてたまらないので、夕方の16時ぐらいから。Lausanneからは電車で20分ぐらいです。あいにくの天気で、Lausanneからの移動中にも雷がゴロゴロと鳴っていましたが、土砂降りになるというわけでもなくどうにか過ごすことができました。

MontreuxはLausanneと比較すると、本格的なリゾートの街という感じがします。街の雰囲気が、夏のバカンスシーズンに最適化されている感じがしました。街の中心と湖との距離感がとても近いことに理由があるのかもしれません。街からの湖の眺めはとても理想的です。

本格的に音楽が始まる前に帰って来てしまったので、音楽と関係ありませんが、写真をご紹介します。

夕暮れ時だったので、みなさん湖畔に座り、ゆっくりと会話を楽しんでいます。私もアイスを食べながら湖を眺めていました。

ちなみに、なぜだか知りませんが、季節外れの鯉のぼりが。。。これが日本の魚だということを知っている人はどれだけいるでしょうか。ていうか、違和感を感じないんでしょうかね。スイスでは初めて目にしましたが。不思議な光景です。

皆さんにとって、湖は海の代わりです。泳いでいる人もいました。水は透明で綺麗なので、まあ、泳げないということはないと思いますが、日本では、湖で泳ごうという人はそう多くないと思います。そもそも山中湖とか、水の色を見たら泳ぐ気にならないと思いますが。。。

湖岸から聞こえる音楽に合わせて踊る人とかもいます。

もちろん出店もあります。ていうか、ジャズ以外はほとんど食べ物屋さんと飲み物やさんです。この辺はLausanneのお祭りと同じです。

ポスターがなかなかレトロな石けんやさん。天然石けん?

日本食の屋台もありました。懐かしいのぼりが沢山。

でも、メニューとは一切関係ありませんでした。天ぷらを期待しても、ここには天ぷらはありません。店の名目上は寿司屋になっていましたから。。。一体どこからのぼりを持ってきたんでしょうね。なんちゃって日本食は、世界中にあります。

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