感動した!

まるで小泉前首相のようですが。素直にそう思います。

今日は、私の送別会があって、研究室の皆さんに送別してもらいました。私は単に日本からの客員研究員としてこの研究室に訪問し、1年間場所を借りて研究していただけの人間です。にも関わらず、研究室の多くの仲間に送別会に出席してもらい、2次会、3次会まで開催してもらいました。

素敵なグリーティングカード、そして皆さんからのプレゼントにハイテクなアーミーナイフまでいただきました。このナイフ、とても現代的で、指紋認証付きのUSBメモリ、Bluetoothを利用したパワーポイント用コントローラ、レーザーポインター、そしてナイフとハサミがついています。

ハイテク好きの日本人で、かつスイスらしいプレゼントといったらこれしかないだろうということで、選んでくれたそうです。みんなでカンパして買ってくれたのでしょう。この気持ちだけでも、限りなく嬉しく思います。

私が皆さんのために何ができただろうと思うと、とても不甲斐なく思いますが、研究室の皆さんの温かい気持ちがとても心に深く染み渡り、この研究室に留学して本当に良かったと感じました。こんな体験は十数年ぶりなのではないかと思います。まるでウルルン滞在記の一幕のようです。

もちろん、研究室で生活するにあたって、私にもそれなりのポリシーがありました。それは、企業から来ている人間ではなく、普通の学生のような雰囲気を保ち、年齢差を感じさせないように同じ視点で振る舞うこと、常に素直な気持ちを表現すること、気取らないこと、そして、お客様扱いを受けないように、できるだけ自分のできることで研究室に貢献するということでした。

この結果がどうであったか、功を奏したかはよく分かりません。しかし、少なくとも1年間という短い時間でしたが、研究室の仲間と信頼感を確立することができたと思います。さらに、日本人に対して誤解のないイメージを持ってもらうことができたのではないかと思います。

みなさん本当に素朴で、心の温かい人達です。こういう交流が人を育てていくのだろうなと思いました。

私は、色々と気を遣うのが億劫で、自分のことで他人に何かをしてもらうということが非常に苦手です。したがって、送別会とか、他人の貴重な時間を自分のために割いてもらうということだけでも、気が引けてしまいます。今回も、送別会を開くことすら躊躇っていたのですが、何も言わずにお別れをするのはさすがに失礼だと思って、開催することにしました。

それが、予想以上の温かいおもてなしを受ける結果となり、人のつながりを大切にする文化というのは、本当にいいものだと実感しました。今回参加してもらった人それぞれの人に有意義な時間を過ごしてもらえたら、自分にとっても最高の喜びです。

自分が今日得た感動を、将来の誰かのために伝えていければと思った今晩でした。

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ギリギリまで忙しい人

もうすぐ留学期間が終わるというのに、全然息つく暇がありません。自分の中ではここまでやればオッケーというレベルには到達しているのですが、研究室の同僚や教授に紹介すると、これは何故だとか、もっと分かりやすく表現できるはずだとか、この実験設定は生物学的に言って妥当でない、等々、限りなく突っ込みが入り、実験条件を変えながら延々と同じ課題を解き続けるループに入っています。

色々と意見がもらえることは非常にありがたく、おかげで深く分析ができましたし、曖昧な点が消えていく様子が分かります。しかし、このモードに入ったのが帰国1ヶ月前ぐらいから急にだったので、もう少し早めに動いていれば帰国前ギリギリでこんなに切羽詰まって実験しなくても済んだのになと思います。

せっかくここのところ毎日晴れていて、レマン湖の対岸のフランス領は美しい風景を見せているのに、そんな情景に気持ちを振り向ける余裕すらありません。このまま気づけば、帰国前日になっているのでしょう。

明日の晩は、ローザンヌのバーで私の送別会です。今週末は部屋の最後の掃除です。あ、銀行口座の解約方法まだ確認していなかった。。。

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住所の話

多くの方はご存じかわかりませんが、ヨーロッパの住所表記はストリート名(広場名)+番号で一意に場所が特定できるようになっています。通りの右側が偶数、左側が奇数で昇順に並んでいるのもだいたい共通ルールです。

したがって、誰かの家に訪ねていくとき、住所を聞いて、通りの場所知っていれば、あとは現地に着いてから通りを歩きながら番号を探せばいいわけです。番号は一つの建物に必ず一つあり、集合住宅などで場合によっては同じ建物の入り口ごとに違う番号が振ってあったりします。

どんな小さな通りでも、全てに名前がついていて、番号がちゃんと順番に並んでいるというのは、なかなかすごいことだと思います。そこで、質問してみました。1という建物と3という建物の間に新しく建物が建った場合、何番を名乗ればよいのかと。

すると、ドイツ人の答えによれば、番号の後にアルファベットでサフィックスをつけるそうです。この場合なら、1bとか3aとかにするってことでしょう。なるほどと思いました。番号の順番を維持するために、番号を振り直したら大混乱になりますからね。

ちなみに、スイスでは集合住宅の場合、部屋番号は存在するのですが、住所には表記しないのが一般的です。人の家に訪ねていくときも、何階、何号室なのかは特に聞きません。その代わり、重要になるのが郵便ボックスの表札です。番号の振られた入り口には呼び鈴付きの表札、もしくは郵便ボックスが置いてあり、何号室に誰が住んでいるかがわかるようになっています。

したがって、日本で(少なくとも都内のマンションはほとんど)一般的なように、郵便ボックスが無記名だとどうなるか。。。郵便物が届きません。郵便配達の人がどの箱に入れて良いかわからないからです。

ヨーロッパの住所表記方式は、通りや広場の名前を使うので、とても理路整然としていて、日本の住所のように区画に名前がついているのとは異なり、何丁目まで来たけど、何番がどこにあるかわからん、ウロウロ、ということがありません。

ちなみに、日本では、マンションなんかの場合、建物名をちゃんと書かないといけないんだと言ったら、そのドイツ人は建物の一つ一つに名前がついているということに驚いていました。東京の建物には全部違う名前がついているのかと聞くので、少なくとも一つの区画には重複しないように名前がついていると思うよ、と言っておきました。ヨーロッパのどんな小さな路地にも必ず名前があるのと同じじゃないかと思いますが。

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荷物搬出終了

本日の朝、引っ越し屋さんがやって来て、帰国用の荷物を引き取っていってくれました。全部で5箱、108kgだそうです。来るときは70kg台だったから結構増えていますが、まあ、単身者の引越荷物なんてたかが知れています。というわけで、全ての荷物は航空便であっという間に日本に着いてしまいます。

これから帰国までの1週間とちょっとはスーツケース一つに入る荷物で生活しなければいけません。おかげで部屋の中はガラガラでスッキリとしています。1年間お世話になった部屋とももうすぐお別れです。アリに侵入され、格闘した記憶も懐かしく感じられます。

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HMV渋谷さようなら

だいぶ前に、そろそろ閉店することは知っていたのですが、今日閉店してしまったそうで、閉店する前に店に立ち寄ることはできませんでした。

明大前に住んでいた頃、井の頭線が便利だったのでよく週末はHMV渋谷でCDを買ったものでした。そんなわけで、ポイントカードはゴールドになってるし、結構ポイントも残っていたような気がするのですが。。。帰国したら新宿店辺りで使っておこうと思います。

買っていたのはもっぱらクラシックのCDばかりでしたが、ジャズと半分ずつになる前は、ワンフロア全てがクラシック売り場でゆったりとしたフロアレイアウトが好きでした。

まあ、これも時代の流れですね。そのうち本屋もなくなっていくんじゃないかと心配しています。

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