W杯

なんか、残酷ですね。勝てば国民の英雄、負ければ監督、選手が糾弾され、フランスでは政治家まで登場して改革を叫ぶ始末。昨日大敗したアルゼンチンのマラドーナ監督やメッシも気の毒です。

八百長でもない限り、どのチームも望んで負けようとなんか思っている筈はありません。それなのに、W杯出場を果たしたチームの苦労をねぎらうこともなく、罵倒するというのは一体どういう思考回路のなのだろうかと、人間の理性を疑いたくなります。(理性ではなく、感情なのでしょうが。)

世界的に、そんなにみんなストレスが溜まっているのでしょうか。世界経済が苦境に立たされているのを反映しているのかもしれませんが、みんな、たかがゲームなのにメンツにこだわりすぎだと思います。実際に戦争をするよりはスポーツで発散する方がよっぽどマシですが、もう少し別な生産的方法でエネルギーが発散できればいいのにと思います。

手のひらを返したように評価を変えるスポーツ解説者、そしてそれに扇動される世論の軽さ。独りよがりは非常に恥ずかしいことですが、一方で、時間が無く忙しいからといって、他人の見解に頼りすぎ、自分の頭で深く考えない習慣も怖いものだと思います。

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自分の耳で確かめ、自分の頭で考える

こんな番組をやっていたとは知りませんでした。日航機墜落事故、JAL123便の話です。

ボイスレコーダー~残された声の記録~ジャンボ機墜落20年目の真実
2005年8月12日(再放送2007年2月18日)TBS

YouTubeに全編掲載されています。キーワードをボイスレコーダーで検索すればすぐ出てきます。(全編で2時間以上。)

各人が事実の核心を自分の目で、耳で確かめ、感じ取ることの大切さが分かると思います。

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4カ国語使えますか

スイスは、公用語が4種類あることで有名ですが、4カ国語も選ばれているのに、なぜ英語が含まれていないんだ!と言いたくなります。

前にも書きましたが、スーパーに売っている商品を見ても、ドイツ語、フランス語、イタリア語止まりで、英語を見かけることはありません。ホームページとかもしかり。せっかく、これだけの労力を払って翻訳するなら、英語も付け加えてくれればいいのにと思います。

まあ、英語が含まれていない理由は簡単で、単にスイスは英語を使う国に接していなかったため、英語を使う人が初めから住んでいなかったからです。そもそも、別に国際化とかを目指して4カ国語も公用語にしているわけではなく、単純に国の中に初めから4つの違う言語を話す人が住んでいたから、公用語が4カ国語あるだけです。

しかし、言語の壁に対する意識は、日本とそのほかの国を比べた時より低いと思います。自然体でドイツ語、英語、フランス語、イタリア語、ぐらいを使い分ける人がざらにいます。面白いですね。

研究室の中を見回しても、彼女はドイツ人だというスコットランド人、彼女はポルトガル人だというオーストラリア人、彼女はベルギー生まれだけど、フランスで過ごしていたから、普段はフランス語で会話しているよというイタリア人。なんか、すごくグチャグチャです。

日本はつくづく単一民族国家なんだということを思い知らされます。

日本で生活する分には、英語の必要性がないことが、日本人が英語を苦手とする最大の問題なのですが、英語教育を小学校から必修にしても、別に全然問題ないだろうなぁという気がしてきます。但し、実施しようとしても、そもそも先生が圧倒的に足りないのが問題でしょうけれど。

でも、日本人も何気に第2外国語もちゃんと使えれば、トリリンガルではあるんですよね。

ちなみに、この日記と直接関係ないですが、松本大さんのインタビュー、面白かったのでご紹介します。

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EnglishPod.com

久々に英語のお話をば。

iPodやそれに類するデバイスを使っているならば、ポッドキャストを購読(っていう表現でいいのだろうか?)している人は多いと思いますが、今日はそんなコンテンツの一つをご紹介します。

今日ご紹介するのは、EnglishPod.comです。iTunesだったら、iTunes storeにアクセスして、englishpodで検索すれば、すぐに出てくるでしょう。

このポッドキャストの特徴は、いわゆるネイティブの自然な日常会話が満載で、言い換えれば、アメリカンな雰囲気の、ちゃらい英語を存分に楽しめるというものです。

実際に英語が母国語の学生と話をすると、まさにこのコンテンツで使われている表現が多用されていることが分かります。ESL、TOEIC、TOEFL、英検、ニュース関連のコンテンツとは異なり、全然堅苦しくありません。まさに、ちゃらい英語なわけですが、ネイティブと普通にコミュニケーションしようと思ったり、英語圏で生活をしていたとしたら、教育的な英語より、このコンテンツの内容の方が実用的なように思います。

要はイディオムなのかもしれませんが、意外とカバーできていないことに気づかされます。お試しあれ。

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自分の目で確かめ、自分の頭で考える

今日、隣の研究室にいる韓国人のポスドクに、I’m very sorry to hear that Japan lost the World Cup match yesterday.と言われました。この人は、初め私が日本人ではないかと勘違いしていた人で、とてもおっとりとして、物静かな人です。同じ趣旨のことは、スイス人や、昨日勝利したスペイン人のポスドクにも言われたのですが、それだけ日本が善戦したということは世界中に知れわたっているってことなのでしょう。

さて、日本のニュースをみる限り、韓国や中国でも同様に好意的にメディアで伝えられているそうですね。W杯のような世界的イベントになると、視点が少し広まって、日本のことでも世界を相手に活躍するアジアの一員という意識でとらえられるようになるのかも知れません。

確かに、今いるローザンヌの様にアジア人コミュニティがそれほど大きくない土地にいると、アジア系の人と話をするだけで、ヨーロッパでの生活にまつわる不自由さの価値観を共有できるようで、自然と親近感がわくものです。ヨーロッパは嫌いではありませんし、今、私があえて日本人コミュニティと距離を置いて生活していることにも理由があるのですが、外見が全く異なる人たちに囲まれ、全く異なる文化の中で生活するというのは、たまに、それなりにアウェーの気分を感じるものなのです。

今回の留学で改めて感じたことは、韓国人は極めて日本人と雰囲気が似ているということと、インド人はわりと物静かで、控えめで、話してみると結構細かく相手に気配りをしながら話す雰囲気があって、何となくウェットな感じが日本人とうまが合いそうということでした。特に私がこちらの大学で出会った韓国人は皆、日本語を話したり、日本にとても興味を持っている人ばかりで、私は、隣国である韓国に今まで全く関心を持っていなかったことを少し申し訳なく思いました。もちろん、サンプル数が非常に少ないので、私の経験だけで一般化はできないと思いますが。

さて、こういう何が言いたいのかはっきりしないまま、話をするのは欧米では最も嫌われるパターンなのでそろそろ論点を明確にしましょうか。

要するに、日本人もいつまでも国内だけに目を向けていないで、自分自身で世界と交流しましょうということです。ニコ動や、2ちゃんねるの書き込みを眺めていると、たまに韓国や中国を蔑視した様な書き込みを見かけます。しかし、そんな書き込みをしている人達は、実際に韓国人や中国人とコミュニケーションしたことがあるのだろうかと思うのです。そして、実際にコミュニケーションしたとしたら、ネットの世界で披露した価値観をそのまま持ち続けるだろうかと思うのです。

ナショナリズムに燃えるのも結構ですが、少なくともリアルな世界でのコミュニケーションを体験し、自分の頭で考えた上で価値観を形成するべきだと思います。他国に対する印象は、とかく政府やメディアのコントロールによって形成されることが多いと思います。東アジアの国々が日本を見る目は、その典型例です。草の根レベルで交流すれば幸せになれるのに、政府が勝手な価値観をうえつけたがゆえに、人々はいがみあってしまうのです。これは非常に不幸なことです。

誰かから伝え聞く情報だけで判断するのではなく、自分の目で確かめることが大切です。そのためには、一旦自分の親しんだ文化から距離を置き、先入観を排し、客観的な視点でとらえることが大切でしょう。私のローザンヌでの生活は、まさにその実験の一端なのです。

隕石の衝突や、宇宙人の侵略がなかったとしても、世界中の人々に共存共栄を促し、世界平和を実現するには、草の根レベルの人的交流を促進し、各個人が異文化の理解を深めることが、もっとも近道のように思います。

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